さてさて。
ARIB(一般社団法人 電波産業会)の機関誌に、WCPの近CTOが載ってるのを見つけた。
(http://twitter.com/#!/icktty/status/132083553646288899)
近氏は、元WILLCOMでXGPの元締め的な存在だった方で、WCPにおいてもAXGPの第一人者と思われる方だが、その氏がAXGPと自律分散とを絡めて語っている様子が上記紙面で伝わっている。
自律分散はWILLCOMのPHSでは実現済みの機能で、置局設計が不要となったりセルを重ね合わせて容量を確保できたりなど、他の方式にないメリットが享受できる機能である。
AXGPの発表時、TD-LTEと100%互換であるとの話から、TD-LTEには自律分散の仕組みなど規格に入っていないため、なんだじゃあAXGPには自律分散機能は入っていないんだなということで、WILLCOM時代からXGPに期待していた多くの人々を大いに失望させた点でもあった。
しかし前述のように、あの近氏がAXGPと自律分散について言及しているのだ。
それを見て、今まで見てきた様々な情報の点と点が、一本の線に繋がった気がした。
まず、AXGP発表時の記事によると、AXGPはTD-LTEとはソフトウェア部分が違う、とある。
(http://twitter.com/#!/icktty/status/119416637559541760)
この記事だけでは、その詳細までは情報がないのでなんのことか分からない。
しかし次にAXGP基地局メーカーであるZTEのリリースを見ると、「MIMO、ビームフォーミングなどのTD-LTEに適用される主要アンテナ技術に加え、セル間の協調による干渉調整機能(ICIC)、セル間の制御チャネル調整機能(CCIA)などの新しい機能を提供します。」とある。
(http://twitter.com/#!/icktty/status/124477802329280512)
これらから、TD-LTEにはない機能のICIC、CCIAなどの新しい技術を、AXGPではソフトウェアで実現していますよ、との解釈がごく自然に成り立つ。
ICIC、CCIAなどとあり用語は違うが、これらが自律分散機能なのではないかと捉えてもさして不自然ではないであろう。
そして、別の新聞記事によると、「ウィルコムの副社長を務めた近義起氏(現WCP最高技術責任者)は「AXGPとTE−LTEのチップは全く同じもの。ほかの部分もTD−LTEと同じになりつつある」という。」とのこと。
(http://www.nikkei.com/news/related-article/g=96958A9C93819499E1E2E2E2828DE1E2E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;df=2)
「同じになりつつある」とはどういうことか?
業界の動向や上記してきた状況から考えると、「TD-LTEにAXGP由来の機能を入れるよう働きかけて、もうほぼ認められつつありますよ」ということだとしか考えられないではないか。
つまり、近い将来には名実共にAXGP=TD-LTEとなりますよ、ただしTD-LTEを拡張する方向でね、ということだとかなりの確信をもって推測できるのである。
もしそうだとすれば、AXGPには大いに期待してよいかもしれない。
冒頭で述べたように、自律分散機能があれば厳密な置局設計が必要ないので、とにかくバンバンバンバン基地局を設置していくというSoftBank 3Gで実績のあるチカラワザがとても有効に働く。3Gではその方式上苦労の割に効果が少ないやりかたでしかなかったが、自律分散ありなら逆にそれで良い。WILLCOMから引き継いだ基地局ロケーションがあるし、SoftBankの基地局ロケーションも利用していくなら、非常にスムーズにエリア展開するであろうことが期待される。
また、WILLCOMブランドのスマートフォンにAXGPが搭載されるかも…とのウワサもあり。
(http://twitter.com/#!/miyakawa11/status/132817356320804865)
期待しないわけにはいかないじゃないですかーーー!!!
とにかく、AXGPに対しては否定的な見方が多い。
そういう意見を見聞きして、長年のWILLCOMファンの一人として少なからず心を痛めている。
WILLCOM発祥の技術なんだもん。
期待したいじゃない。
という心境で書いているので、この記事の内容にはむちゃくちゃバイアスがかかっております。悪しからずご了承ください(笑)。
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