2011/11/21

AXGPが自律分散しないとは思えなくなってしまった話

ホークス日本一おめでとうございまーす!!
唐突に恐縮だが、私は福岡出身である。
福岡は、その昔、西鉄ライオンズというご当地チームがあって、その頃のことをリアルタイムで知ってるわけじゃないけど、野球が地域に根ざしてる感がある。
西鉄ライオンズ身売り後、かなりの空白期間ののちにダイエーホークスができ、地元はそれはもう歓喜したものだ。福岡ダイエーホークスとなってしばらくの間は弱小球団もいいとこだったが、王監督を招聘し、戦力も整い、常に優勝を狙えるくらいのチームになった。
ダイエーの経営悪化から身売り話が出たときは、びっくりというか失望というかどう表現したものか分からないくらい混乱したものだ。その後ソフトバンクホークスとなったのは皆さんご承知の通り。
ずいぶん久しぶりの優勝だ。
喜ばないわけがない。
そんな中、一部、ソフトバンクだからってだけで、「電波は繋がらないのに打線は繋がるんですね」などというつまらないことをドヤ顔で言ってのける輩がいると見聞きして、あきれて鼻毛が一気に伸びた。
なんなの?
そういう輩は、ソフトバンク携帯を使ってる知人が不慮の事故とかで急に亡くなったら、「やっぱ電波繋がらないだけあって生命も繋がりませんでしたねー」とか言ってドヤ顔するの?いやすればいい。むしろしろ。その軽薄なスタンスを絶対に変えるな。

余談が長くなった。
今回はAXGPの自律分散について考えてみた話。

前回の記事(http://icktty.blogspot.com/2011/11/axgptd-ltetd-lte.html)で、AXGP基地局に「セル間の協調による干渉調整機能(ICIC)、セル間の制御チャネル調整機能(CCIA)などの機能」が入っていることから、これらが自律分散機能なんじゃないの?とかいった趣旨のことを書いた。
そしたら、その後、その道の重鎮の方がそれを明確に否定している記事を書いていらっしゃった(LTE干渉除去機能と自律分散の違い | 無線にゃん http://wnyan.jp/2709)。

当然私は落胆し、三日三晩食事という食事はのどを通らず、「あなたこのごろ、え〜、えっく、じ〜なんとかとか、じりつがどうしたとか寝言いってうなされてるけど大丈夫?」などと家人に指摘される始末。当然嘘だが、まあなんとなくもやもやした気持ちが晴れなかった。
なのでこの際ということで、ARIB XGP仕様書(http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/1-STD-T95v2_0.pdf)に立ち向かってみた。
数百ページに渡る膨大さ、かつ、英文のため、正しく理解できたかどうかはあやしいが、とりあえず理解できた範囲で書いてみる。

まず、TD-LTEとの互換性の話。
以前のXGPからの仕様上の違いとして、フレーム構造の拡張が一番顕著な点と思われる。
以前は1フレーム5msで、上下2.5msずつの対称構成と規定されていた。
変更後の仕様では、1フレーム5msのほか2.5msや10msも許容するようになっており、1フレーム内の上下の割合は非対称でもよいということになっている。
さらに、フレームの中は、サブキャリアという決まった単位に小分けして使う使い方に加え、フルサブキャリアモードという連続するサブキャリアをひとまとめにして扱うモードが追加されている。
これらの変更が、おそらく、TD-LTEとの互換性を確保するための変更と思われた。
TD-LTEの仕様が分からないので多分だが。

そして、肝心の自律分散の話。
基地局と端末の通信を確立する流れの部分に、だいたい以下のような内容が書いてあった。
・基地局は常にUL(アップリンク)をキャリアセンスして、空いているチャンネルを端末に割り当てようとする
・端末は基地局からの割り当て通知を受けて、DL(ダウンリンク)をキャリアセンスして、チャンネルが空いてればOK、空いてなければ再割り当て要求を基地局に送信する
これすなわち自律分散ってことだよね。
んで、この部分の記述には、前述のフレーム構成の話とからむような記載が見受けられない。
前の仕様で想定していたフレーム構成以外の場合はキャリアセンスしませんといったことは書いてないのだ。
ということはつまり、TD-LTE互換の通信をする場合でも、キャリアセンスしてチャンネルを割り当てます=自立分散します、ということではないのか。

なので、仕様書通りに実装されていることを前提とすると、AXGPも自律分散します!としか思えないのだ。
しかしそう考えると、基地局側だけならまだしも端末側でもキャリアセンスする必要があり、TD-LTEと100%互換ってなんのこと指して言ってるんだろう、という別の疑問が残る。
だって、そしたら、TD-LTE端末もってきただけじゃAXGP基地局と通信できない筈だから。

今のところ公式な情報がないし、技術も知識もない私にはこれ以上の深入りは難しそうだが、とにかくはっきりするまで希望を捨てなくても良い程度の根拠にはなったような気がする。自己満足です。ええ。

で、繰り返しになってしまうが、AXGPにこんなに期待しているのは、兎にも角にもWILLCOM由来の技術だからという理由しかない。長年のWILLCOMユーザで他キャリアは使用したことがない私としては、一旦XGPで運用開始して大きな夢を見せてくれたこの技術を、ソフトバンクの資本が入るというだけの理由で見限ることなんてどうしてもできない。
冒頭の野球の話にも通じるが、坊主憎けりゃ袈裟までってのも本当によーく分かるがそれだけの理由でいろんなことを過大にネガティブにとらえるのって単に偏見ではないだろうか。
なので私は今後もAXGPに期待し続けます!よろしくどうぞ!!

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