2011/07/04

松本復興相の発言とその反応について思う

松本復興相の発言が大きく取り沙汰されている。
宮城県知事との会談で、県知事に対し強い口調で苦言を呈し、さらに発言を"オフレコ"にするよう記者団を恫喝した、と言うのだ。
ネット上で動画も見たし、テレビでも報じられているのを見た。
確かに発言内容自体は穏当ではないし、不愉快に感じるものだと思う。

が、それ以上に、発言に対する反応が凄い。というかヤバい。

もうなにか世紀の大事件かのように取り扱われ、親の敵に対するかのごとく叩かれまくりのフルボッコ状態だ。
発言の動画・映像を見た率直な印象として、そこまで言われるほどのことか?と疑問を感じざるを得ない。

まず最初の報じられ方と取り上げられ方で感じた違和感がある。

前提が何もなしにあんな言い方していたとしたらさすがに松本さん頭大丈夫ですか?ということにしかならないが、いくらなんでもそんなことはないだろう。あの発言に至る背景があると考えるのが自然だ。だが、報道からはそのようなものはまったく抜け落ちており何故その発言になったのかがよく分からない。
最初に報じたのは宮城のローカルTV局だったようだ。
立場としては言われた側である。
言われたことに対する反発心まずありきで、地元は悪くない国が悪いとの構図にしたい意図がなんとなく透けて見えてしまう。

それを取り上げるメディアも、ヒステリックに、あるいは面白おかしく「いかれた大臣」として罵詈雑言を浴びせるものばかり目立つ。
「民主党の」とか「政府の」というところから入ることで、まずある種のバイアスを持って捉える向きが過ぎるように感じる。
あるいは、そういう印象を持たせたいという考えを持った人たちが、必要以上に煽っているようにも見える。
例えば麻生が言ったとしたら同じように扱われていただろうか。
自民党政権末期に起きた麻生批判を未だに根に持ってことあるごとに持ち出すような人たちは、松本に対し自分たちが同じことをしていることに違和感を感じないのか。

さらにこの話には、「大手マスコミは報じない」「オフレコ恫喝に屈した」などのもっともらしい尾ひれがついて出回っている。
この「大手マスコミは報じない」という煽り文句の効き目は絶大である。
実際はそんなことはなく、各メディアとも軒並み批判方向で報道しまくっているのだが、「え、報じてるじゃないですか」とはならない。そのような冷静な分析は二の次となり、「マスコミが隠したがる=極めて重大な問題である」という印象とセットになって、「大臣の発言ひどくね?」という話だけが一人歩きしているように見える。

あの発言に問題がないとは言わない。
冒頭にも書いたが、発言は発言として問題だろう。
でも、そこまでの発言ですか?と言いたい。

また、自民党などは、ことさらこのことを問題視して国会で追求するとはりきってるみたいだが、本当にそれでいいの?民主党を攻撃できればいいの?せっかく延長した国会が空転することが果たして何のためになっているの?と声を大にして言いたい。
しめた、失言だ、チャンスだ、などとホクホクしてる場合じゃないだろう。
こんな本質でもなんでもない問題で対立するとしたら、ウダウダ言い訳探ししてグズグズなにもしない反抗期のガキとなにも変わらないぞ。

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