WiMAX2.1を取り上げたときの最新の総務省の会議資料によると、UQがTD-LTEをWiMAXに入れようとしている一方、WCPとしてはBWAのさらなる高度化としてキャリアアグリケーション(CA)の検討をしている様子。
出典:
総務省|情報通信審議会|情報通信審議会 情報通信技術分科会 携帯電話等高度化委員会 BWA高度化検討作業班(第14回)
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/keitai_koudoka/bwa/02kiban14_03000259.html)
CAと言えばLTE-Advancedの要素技術。
AXGPでは割り当て30MHzのうちまだ20MHzしか使ってない(あと10MHzは来年くらいまで使えない)んで、この残り10MHzを使いこなす上でCAは必須だろうからねえ。少なくともそこまではやる気まんまんなんだろう。
ほいで、LTE-Advancedつながりでこんな情報にも注目。
LTE-Advancedに向けたドコモの技術開発とは - ケータイ Watch
(http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130322_592851.html)
技術動向として大変興味深い内容だが、特に以下の記述が気になった。
C-RANとは、Centralized Radio Access Network、つまり携帯電話の通信ネットワークのうち、基地局と携帯電話を繋ぐ無線部分を1カ所にまとめて制御するというもの。複数のアンテナ(子局)でサービスエリアが作られ、それらの制御を別の場所にある制御装置(親局)が行う。これってAXGPが言ってる「クラウド基地局」そのものだよね?
LTE-Advancedの要素技術のベースとなるアーキテクチャが、AXGPではもう実現できてるんだなー。なんか感慨深い。
もいっこLTE-Advancedつながりで。
ソフトバンク、LTE-Advanvedに向けた基地局間協調伝送技術を披露 - ケータイ Watch
(http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20130221_588829.html)
実験で用いられた基地局同士は、IPネットワークを利用するX2インターフェースで接続され、分散基地局制御構成となっている。時刻の同期はGPSを利用する。従来の、基地局を集中させ光ファイバーでアンテナと接続する集中基地局制御構成では、ほかの集中基地局が制御するクラスタとの間にクラスタ境界ができ、クラスタ間の協調制御が行えないなどの問題があったという。X2インターフェースでは、協調が必要な基地局を動的に変更でき、クラスタ境界も発生しないほか、協調制御効果自体も低下しないとしている。ほほーう。
AXGPクラウド基地局の弱点を解消してくれるわけですな。
確かに、クラウド基地局を最初に聞いたとき、クラスタ境界どうすんだっていうのは個人的に疑問に思ってた。うん。いいね。
蛇足的な話をすると、冒頭で紹介した総務省の会議の、WCPからの出席者は上村治氏。ウィルコム時代にXGPを推進してた人。
参考:
ASCII.jp:次世代PHS「XGP」、どこが魅力か? ウィルコム担当者に聞く
(http://ascii.jp/elem/000/000/429/429383/)
さらに上村氏は、現在はソフトバンクでも技術部門の役職についてるみたい。
参考:
ARIBニュース868号
(http://www.arib.or.jp/osirase/news/868-1.pdf)
なので、このソフトバンクの実験も、たぶんウィルコム由来AXGP経由の技術が入ってると思うの。
いわゆるシナジー?
ソフトバンクに利するのが気にくわない人も多いと思うけど、この際そんなちっちゃいことは忘れて、無線通信技術の発展をみんなで祝いましょうよ。ねえ。
というわけで、AXGPの今後がますます楽しみな今日この頃です。
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